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開発ストーリー ケース1 case1

搬送用樹脂ベルトの開発 ポリウレタン樹脂加工への挑戦 業界でも難しいとされているポリウレタン樹脂加工への挑戦から、主力製品に成長するまで。 合成樹脂部門 技術課 竹中 友章

ポリウレタン樹脂加工今ある加工機では対応出来ない…
ポリウレタン樹脂のための加工機を導入

30年以上前、某ゴムメーカーからの依頼で着手し始めた「コンベアベルト(搬送用樹脂ベルト)」。食品工場や製造現場での製品搬送、家庭用ルームランナー等、多岐に渡って使用されていますが、現在の技術を確立するまでは大きな苦労がありました。
弊社においてはそれまでは安くて扱いやすい塩化ビニール樹脂がメイン材料でしたが、コンベアベルトには表面摩耗性に強いポリウレタン樹脂が多く使われています。
とは言え、ポリウレタン樹脂は塩化ビニールと違って非常に硬く加工しにくいため、既存の加工機では負荷が大きく、機械的にも限界を越え、何度も試行錯誤を繰り返しました。

そこで当社では大型投資を行い、ポリウレタンなどの様々な機能性樹脂を加工出来るカレンダー成形機を導入。
さらには樹脂メーカーとのタイアップによりカレンダー加工に適した特殊配合を確立することで、他社には真似出来ないオリジナルの加工技術を完成させました。

幅広い要求への対応あらゆる産業を支えるコンベアベルトは苦労の賜物

コンベアベルトには実に多くの種類があります。果物や野菜を傷めないようにクッション性を持たせたもの、おにぎりやパン生地が離れやすいように表面にフッ素フィルムを貼り合わしたもの…など、搬送する物や目的によって素材や加工方法もさまざまです。

また、生地を2枚重ねて強度を高めたり、強度は同じでも柔軟性や表面の素材を変更したり…もともと加工が難しいポリウレタン樹脂にお客様の求めるスペックを合わせて設計、試作、製造を繰り返していきます。加工する素材を変えると加工工程や作業条件も変わりますので、あらゆる組み合わせの中から正解を導き出す作業は長年の経験が活かされます。

コンベアベルトの生産過程は、生地に接着剤を塗布し、フィルムを貼って、プレス加工をして…と工程が多く、ひとつの製品の加工に1週間~2週間を費やすため、毎日どこかの機械でコンベアベルトが作られています。さらに、他の製品と違いコンベアベルトはチェック項目も膨大で要求スペックも非常に厳しいので細心の注意が必要です。したがって、ユーザー指導のもと、徹底した管理体制をつくり安定した物づくりに対応出来る環境を整えています。

生産体制の拡張世界へ飛躍する独自の加工技術

ポリウレタン加工の挑戦から30年。これまでに150銘柄以上のコンベアベルトを世に送り出してきたIMSテクノですが、現在は毎年海外で展示会を行い、海外ユーザーにも幅広く展開できるよう、アプローチを始めています。

幸いにも当社の親会社は織物メーカーと提携しており、原糸レベルから織物設計と開発が出来る強みを持っています。また、材料メーカーとも強固なパイプが出来ており、積み重ねた経験とより良い素材から調達出来る強みを武器として、世界を見据えて取り組んでいきたいと思います。

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